子どもたちの保存的歯並び治療
- 予防矯正 -

あごを育む床矯正

前歯が生え始めた小さなお子様をお持ちのあなたへ

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「前歯が重なって、生えているんです」
「乳歯の内側から、永久歯が生えてきました」
と相談に訪れる保護者の方々がたくさんいらっしゃいます。

「生える場所がないよ~」という歯とあごからのメッセージです。
原因は様々あります。食の環境の問題、姿勢、運動、くせ、呼吸、遺伝など。
今現在の生活になにか問題がありますよ、というからだからのサインです。

治療はできるだけ早いほうが良いです。
「大火も初めは小さなボヤ、火事はボヤのうちに消火」
お子様をよく見て、上手に床矯正を利用してください。

「生え始めたばかりの永久歯の歯並びが気になる、小さなお子様をお持ちのあなた」
「矯正であっても、出来ればお子様の健康な歯を抜きたくないあなた」
「少しでも安く、矯正治療を受けたいあなた」
そんなあなたにお薦めの治療です。

日本の矯正治療

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1960年代後半のヨーロッパでは、矯正は床矯正のみの治療方法でした。
また、ヨーロッパでは広く社会福祉が普及したため、矯正専門医ではなく、開業医が矯正治療を行っています。
一方アメリカでは、歯を抜歯してスペースを作り、固定式のワイヤーで歯を並べる治療が主流です。矯正歯科専門医のみが治療をしてきました。

では日本はというと、アメリカの治療法が主流です。
あまり床矯正による治療は普及していません。
矯正歯科専門医がいますから。

なぜ抜歯がだめなのか?

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なかには永久歯があまりにも大きいお子様がいらっしゃるのも事実です。
ただほとんどはあごの成長不足・筋の機能不全・からだのゆがみが原因です。萎縮したあごのサイズに合わせて歯を抜いて本数を減らして、きれいに並べてもいいのでしょうか?

人間には無駄なものなんて、なにひとつありません。
抜いてしまった歯は、元には戻りません。歯は、人間が機能と発育をするための大事な構成要因です。その損失ははかりしれません。
歯を抜けば口の機能は低下します。その結果、顔の骨の発育が抑制されます。顔貌の正しい発育と育成も大切です。

保存の立場の矯正治療では、歯を抜くのではなく、顎が小さく歯が並ぶことができないならば、成長不足で萎縮した顎を拡大して正しい顎の大きさに戻すことを考えます。

日常生活の姿勢をチェックしましょう

これが原理原則です。

  • 「正しく口が機能していれば、顎は正しい大きさに成長します。」
  • 「正しく口が機能していれば、歯は自然と正しい位置に並びます。」

歯を機械的に移動させるばかりが治療ではありません。
口の機能が正しく働くと、歯は自然と正しい位置に並びます。
自分の持っている免疫能力で、歯を自分の力で矯正するバイオセラピー(生物学的機能療法)が大切です。歯科医師の機械的治療だけを頼ってはいけません。自己能力を高めることが最大かつ最良の治療法です。
起こった結果だけを追いかけず、その原因を追究し、そこを改善することが大切です。

お子様の日常生活をよくよく観察してください。
ひとのからだは、いつも完璧です。機能からみると、歯列不正も自然の状態です。今の機能には、今の構造であることがバランスがとれているのです。
歯科矯正治療は、機能面と構造面を組み合わせて考えることが大切です。

前歯を使って「良い顔」をつくりましょう。

上顎の前歯は、噛み切る歯です。現代は大きく口を開いて前歯で噛み切ることをしなくなりました。意識的に前歯で食べ物にかぶりついて食べましょう。
前歯を使わなければ、上顎の骨・顎は発育しません。食べるという字は「人を良くする」と書きます。正しく食べることが良い顔を作るのです。

子どもは、大人の縮小版ではありません。上顎が発育することで、大人の顔になるのです。噛むことで上顎骨の発育に必要な刺激を与えることが必要です。上顎の骨が正しく育成したその結果として「良い顔貌」に成長するのです。

頭は頭蓋(とうがい)と呼ばれ、脳を守る神経頭蓋と顔をつくる顔面頭蓋に分かれています。神経頭蓋はあまり成長しませんが、顔面神経は大人になるにつれて大きく変化します。顔面頭蓋の70%は上顎骨です。

上顎の骨の発育と表情筋の活性がなければ、目が垂れたり、目の下にシワできるのは当然です。食べる時に前歯を使わず、普段から口を閉じていなければ、口の周囲の口輪筋は弱くなります。
前歯で噛むことで口輪筋の活性化により口元や唇の形が変わります。

口を開いていると、顔がくずれます

口を開いていると、口の周囲の筋肉(口輪筋)が弱くなります。通常2kgの力 が1kg以下しかありません。その弱さを補うために下顎の先端のオトガイ筋が働きます。過剰なオトガイ筋の働きは、下顎が前方に発育するのは抑制し、下顎を後退させます。
悪い筋肉の作用は、歯並びだけでなく口の形や顎・頬の骨の形のバランスをくずし、立体感のない平坦な顔に成長させます。
笑うと歯肉の見える人がいますが、これは上顎が正常に成長できず、下方向に発育した結果です。

常に「口を閉じる」ことを意識し、食事は、口輪筋・表情筋を使った「前歯で噛む食べ方」を意識的に行いましょう。日常生活が治療です。

人の顔は、発育する時期が2回あります。

1回目は産まれてから6歳まで。この時期、子どもたちの顔は毎年変化します。でも小学生の間はあまり顔つきは変わりません。歯が並べない顎は、この1回目の時期の顎の発育が不良だったので、歯が並べない顎になり、顎が萎縮していたのです。
11歳になる小学校5年生あたりから顔が再び変化します。
6歳までに正しく発育できなった顔を10歳までに治して、11歳からは自分の力で発育させるのが大切です。
治療の目的は、歯が並べばいいのではありません。歯がしっかり機能して、顎を育て、顔もしっかり育てることです。

床矯正治療

【開始時期】治療の開始時期は、5~8歳が望ましいです。
基本的に装置を支えるのは乳歯です。その乳歯がグラグラ動き始める前に、拡大を終わらせないといけません。ですので、早いに越したことはありません。

【目的】萎縮した顎を正しい大きさに拡大します。
ネジを棒で巻くことで、スクリューが移動して、床が拡大して顎を拡げます。

【仕組み】床装置は入れ歯と同じで、簡単に取り外しができます。
床装置は入れ歯に組み込まれたネジを拡げることで入れ歯が拡がり、その刺激で、顎を拡げたり、歯を動かす装置です。

 【使用方法】基本的には、寝るときに使用します。
朝起きたらはずしましょう。装置を入れない日があると、翌日には少し顎が後戻りします。何日も何日もあると、装置の適合は悪くなり、治療が進まなくなってしまいます。
それ以外の時間は、毎日がトレーニングです。お子様たちは、成長するために毎日毎日を過ごしています。

  • 正しい姿勢で、正しい食事、正しい飲み込み。
  • 口を閉じて、鼻呼吸。
  • しっかり運動をする。
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      術前
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      術後
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      術前
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      術後
相談料 2,200円
レントゲン、型取り代 4,400円
装置代 242,000円
紛失、故意の破損による作りかえの場合 1装置22,000円
診察料(調整料) 4,400円

治療後の部分矯正

床矯正治療は、「簡単、痛くない、安い」ですが、魔法の治療ではありません。
きっちりきれいにというよりは、「そこそこ、自然なかんじ」を目指します。
顎に力を働きかけることは得意ですが、歯を動かすのは得意ではありません。
治療後に、生え変わりを待って、部分矯正を行うこともあります。
判断は僕ではありません。本人が気になればです。

【治療期間】3~12ヶ月くらい

相談料 2,200円
装置代 17,000円~
治療したい本数によります。
診察料(調整料) 2,200円
治療後の固定装置(リテーナー) 1装置11,000円
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      固定式(ブラケット)治療
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      リテーナー(着脱式)

口腔周囲筋トレーニング治療(MRCシステム)

悪い生活習慣・悪いクセと歯並び

今や4人に3人の子どもたちに、歯列不正と顎の発育の問題があると言われています。
口呼吸、鼻づまり、悪い飲み込み方、食事をあまり噛まない、食事中の足ぶらぶら、指しゃぶり、お口ポカン、爪を噛む、くちびるを噛む、姿勢の乱れ(歪み)、足を組む、ほおづえなどの悪い生活習慣・悪いクセが原因です。
子どもの顔や体格が親に似るのと同様に、歯列や顎の成長についても親からの遺伝を受ける場合がありますが、可能性としては約5%ほどです。

ブラケット矯正(歯を動かす際の矯正)の力は約50gに対して、くちびるの力は約200g、舌の力は約500gです。いかに口腔周囲筋や舌の及ぼす影響が大きいかがわかると思います。

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指をしゃぶっていたため、出っ歯に

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舌を噛んでいたので、前歯が噛まなくなりました

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舌くちびるを噛んでいたので、出っ歯に。
下顎も後退して、アーチが狭くなりました

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右側の噛み合わせがひっくり返りました

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上唇の筋力がないため、上顎は上方に、下顎が後退してしまいました

口腔周囲筋トレーニング治療(MRCシステム)

【目的】歯は口腔周囲筋や舌のバランスのとれた位置に並びます。常にヒトのからだは完璧です。
「構造=機能」
従って、
「誤った機能=アンバランスな歯並び」
「正しい機能=きれいな歯並び」
どちらも正しいのです。
トレーニングによって、誤った機能を改善して、正しい機能を学びます。
その結果、歯並びが整い、顎が正しく発育します。

【使い方】正常な発育を促すものなので、成長段階にある5~10歳くらいのお子様に適しています。
シリコン製のやわらかいタイプとポリウレタン製のかたいタイプがあり、お口の状態にあわせて使用します。

装置は治療の一部として重要ですが、すべてではありません。装置の働きを助けるのが、舌・口・呼吸のトレーニングです。毎日の装着時に実行することで治療効果が上がります。
装置をお口の中にセットします。 次のことを意識しましょう。

  • ①口を閉じる・・・・口輪筋のトレーニング
  • ②舌を上顎につける・・・・正しい飲み込みを誘導
  • ③鼻呼吸・・・・ゆっくり大きく、そして吐ききる

使う時間は、寝ている間と日中1時間です。

相談料 2,200円
初期費用 55,000円(装置3個分まで)
4個目以降の装置追加料 1装置11,000円
診察料(調整料) 2,200円

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